慌てて彼の方に向く。


「何って、おもろいからに決まってるやん」


「お、おもろいって」



「いやぁ、大仏に謝ってる人、初めて見たからな、記念に撮ってん」


いやいや、それはあなたが先に、っていうかなんでそもそもわたし


「こらー!そこの二人!いつまでいるんだ!!」


「やば!先生怒ってる」


「行くよ、こはる」


「う、うん」


チエに腕を引っ張られ、怒る機会をなくしてしまったわたし。


彼はただ笑顔で手を振っていた。