約束の時間は過ぎているけれど。 仕方ない、大和さんはまだ仕事中なんだもん。 時計の針ばかりが進んで、わたしの気持ちはひとつも晴れる事はない。 心配で、不安で。 だけど確かめないといけないんだ。 「待たせたな」 カフェの一番奥の席に座っているわたしに手を挙げながら大和さんがやってきた。 「こ、こんにちは」 いつもと変わらない、大好きな姿。 スーツ姿は初めてじゃないけれど、何度見てもドキドキして。 どんどん好きになってしまう。 そして、涙が溢れそうになってしまう。 嘘だよね大和さん。