「俺も、あんな風に遊んでもらったわ」
遠くでは男の子が満面の笑みでお母さんに抱きついていて、お母さんが嬉しそうにその子を抱き上げた。
「いい年して、情けないよな。おかんに会いたいなんて」
「家族なんでしょう?たった一人のお母さんに会いたいと思うのは普通なんじゃないの?」
チエの言う通り。
修平くんの気持ちは、情けなくなんか、ないよ。
「ずっと捜してたんでしょう?そのためにここに来たんでしょう?」
会いたい人がいるなら
ちゃんと会わなきゃ。
後悔だけは絶対にして欲しくないから。
ふと、急に足元にボールが転がってきた。


