大和さんは無言のまま、車を走らせる。 外を見るといつの間にか大和さんのマンションの近くまで来ていた。 そうか。 やっぱりダメなんだ、と思いながら旦那様の顔を見た。 整った、キレイな顔立ち。 意地悪で、厳しくて。 決して甘やかしてはくれないけれど。 それでも大好き。 大好きなんです、大和さん。 「こはる?」 ぽた、ぽた、と膝の上に涙がたまる。 ぎゅっとスカートの裾を握ると、大和さんがわたしの上に手を重ねてきた。 「やだ」