わざとらしい、大きな声。 前を歩くみんなが不思議そうな顔でわたしを見る。 うう、結局逃げられないってことですか。 「こはるちゃん?」 こんな時ばかりちゃんづけで呼ぶなんて! 「はいはい!乗ります!」 こうなったらもうヤケクソだ! 顔も見ずに車に乗り込むと、シートベルトをかける前に車が発進した。 「何か話す事はないのか?」