とはいえ。
自分から逃げ出してしまったわたしは一体どうしたらいいのやら。
チエも頑張るって言っていたし。
わたしも頑張るって決めたのに。
たったひとつ、電話をすればいいだけなのに、どうして通話のボタンをタッチできないんだろう。
今、仕事中だよね、後回し、、、
いやいやそれだけはしちゃいけない。
「こはるちゃん、掃除終わるよー」
「はーい」
学校の中とはいえ少し肌寒い。
班長さんの合図で解散すると、そのまま鞄を持って昇降口まで向かう。
チエはまっすぐ大雅くんのところに行くって言うし。
わたしはどうしようかな、
そう思いながら校門を出ると、見覚えのあるどころか、よく知る車が目に入った。


