目の前には巨大な校舎。


いつもより大きく見えるのは気のせいかな。


恐る恐る校門を通って中に入る。



あれだけ決めたくせにびくつくなんて。


我ながら情けない



「こはる?」


心の準備が出来ずに、だけど話さなきゃとチエの方を向いた。


「おはよう」


「お、はよう」


こんなぎこちないのは初めてだ。


「ぷっ!」


ぷ!?


ぷってなに!?


びっくりするわたしをよそに、いきなり笑い出すチエ。


えーと、なんかわたしおかしな事しちゃった?


「あの、チエ?」


「あぁ、ごめっ、だって、こはるの顔」


「わたしの顔?」


「寝痕が、ついてる」


「へ!?寝痕!?」