ほんとはわかってる。ちゃんと大和さんの言葉をきかなくちゃいけないのは。 でもわたしにはどうしてもできなかった。 「こんな事になるなら最初から言わなきゃよかった」 瞼を閉じればいやでも思い出す。 あの時の大和さんの呆れた顔。 「馬鹿かおまえは」 そういったときの声のトーンまで。 しっかりと 鮮明に。 「こはる、何があったの?大和くん、ずいぶん心配してたみたいだけど」