眠り姫はひだまりで【番外編】



「…やだぁ、純、ウケるんですけど。あたしお邪魔っぽいし、もうホームルーム始まるから、退散するね?」

そう女の子はニヤニヤ笑いながら言うと、バイバイと手を振って、二組の教室へ戻って行った。

そのとき、チャイムが鳴って。


「…場所、変えるか」


純くんが目を逸らしながら言うものだから、返事をする声が裏返ってしまった。

下の階にいるはずのミオに声をかけようと思って見たけれど、既に彼女の姿はなくて。

携帯に、『がんばれ』というメールが一通、届いていた。






それから私達は、先生の目を盗んでいつもの空き教室へ向かった。

別館からだったから、純くんの持つ鍵を使って中へ入った。



「………えっ、とぉ」


とりあえず、椅子に座る彼の前で、正座。

「…うん。何?」

ひぃ、怖い!

純くんはやっぱり不機嫌で、なんだか別の意味で泣きたくなる。