女の子は目を見開いたあと、「アハッ」と笑った。
…アハッ!?
「アハハ!やだぁ、彼女さんカワイイじゃん、純〜!いいよぉ、冗談だし!一緒に帰りなよ〜!」
…あ、あれ?
この女の子は、いい人…なの、かな?
ガクっと拍子抜けする。
純くんは、笑いながら肩を叩いてくるその女の子に、うっとおしそうに目を細めていた。
すると、女の子が何かに気づいたように「あっ」と言った。
「じゃあ、純にチョコあげるの、ダメかなっ?」
……あ。
「ぜっ、全然オッケーです!」
「いいのかよ!」
そう反応したのは、女の子ではなく純くんだった。
思わずこっちがびっくりして、女の子とともに「えっ?」と訊き返す。
そんな私達に、純くんはハッとしたように口をつぐんで目線を逸らした。
「……なんでも、ない」
ちゅー…とストローでコーヒー牛乳を飲む。
その頬がわずかに赤くて、不謹慎だけどキュンとした。



