眠り姫はひだまりで【番外編】



…わかってる。

純くんは一度だって、私のことを『遊び』だなんて、言ったこと、ない。

さっきだって、純くんはなんにも言ってない。

でも、私の不安、全部を見透かされた気分になったんだ。

私じゃダメだって、彼に私は無理なんだって、言われたような、そんな気がしたんだ。

…何より今、こんな、感情がごちゃごちゃの状態で、会いたくないんだよ…


ぼろぼろと涙をこぼし始めた私を、ミオは諦めたように目を伏せて、抱きしめてくれた。






「…なるほど、ね」


次の日の、朝。

つまりは、バレンタイン・デー。

学校中がピンク色に染まり、あちこちからチョコレートの甘ーいにおいのする素晴らしい日だ。


……私にとっては、大好きなひとの誕生日だけど。


そんななか、私は教室で裕也くんとミオに、話を聞いてもらっていた。