…わかってる。
純くんは一度だって、私のことを『遊び』だなんて、言ったこと、ない。
さっきだって、純くんはなんにも言ってない。
でも、私の不安、全部を見透かされた気分になったんだ。
私じゃダメだって、彼に私は無理なんだって、言われたような、そんな気がしたんだ。
…何より今、こんな、感情がごちゃごちゃの状態で、会いたくないんだよ…
ぼろぼろと涙をこぼし始めた私を、ミオは諦めたように目を伏せて、抱きしめてくれた。
*
「…なるほど、ね」
次の日の、朝。
つまりは、バレンタイン・デー。
学校中がピンク色に染まり、あちこちからチョコレートの甘ーいにおいのする素晴らしい日だ。
……私にとっては、大好きなひとの誕生日だけど。
そんななか、私は教室で裕也くんとミオに、話を聞いてもらっていた。



