裕也くんが言っていたっていう、純くんのこと。
『来るもの拒まず、去る者追わず』。
女の子を、とっかえひっかえ…
そういえば、純くんと付き合い始めた頃、彼の周りの女の子たちに時折言われていたことがあった。
『いつ飽きられるかな』
『振られるかな』
彼女たち曰く、私は今までの子達とタイプが違うらしいから、少しは長く続くかな、とか……
無遠慮な想像を、何度も。
いちいち気にしていたら無駄だと思って、見て見ぬ振りをしていた。
それは、今も変わらないけど。
…飽きられちゃうのかな、いつか。
振られ、ちゃうのかな。
そこまで考えて、ハッとした。
だめだめ、信じるんだ。
過去は過去。
…そう、思いたいのに。
結局今日、別館に行ったとき、私はミオのように堂々としてられなかった。
女の子たちと話してる純くんに、声すらかけられなかったんだ。



