眠り姫はひだまりで【番外編】



…バサ、と。

私の横の机に雑誌を置いて、純くんは私の真横に立った。

椅子に座っている私の目線に合うように、腰を曲げて。

そっと、顎に手を添えられて、上を向かされる。

その綺麗な顔が、間近に迫った。


「…ラッピング、して。…全部、全部、色葉は俺のためにするんだろ?」


…かぁ、と顔が熱くなった。

…そりゃ、そうだけど。当たり前なんだけど。

「そっ、そそそ、そお、だよ…?」

あまりにどきどきして、口が回らない。

だって、純くんの、笑みが。

まっすぐで綺麗な瞳を、直視できない。

思わず逸らすと、「色葉」と強い声で呼ばれた。


「…ちゃんと、見て」


…意地悪な、笑み。

悪魔な彼の、甘い甘い笑み。