眠り姫はひだまりで【番外編】



…作るものは、もう決まってるけど。

他には、どんなレシピがあるのかなぁとか。

ラッピングの仕方とか、バレンタインコーディネートとか…なんか、いろいろ載ってたからぁ。

つい買っちゃったというか…


未だにニヤニヤ笑ってる小悪魔王子を見上げながら、唐揚げをぱくり。

「…返してよ」

「……なんかさぁ、こーゆーの、いいよなぁ」

はい?

何のことかと眉を寄せて純くんを見上げていると、彼は目を細めて雑誌をめくりながら、言った。


「こーやってさぁ、雑誌買って、色々見て、材料買って」


…その視線が、少しずつ誌面から私の方へ移ってくる。

「…頑張って、チョコ作ってさぁ……」

完全に目が合って、心臓がばくんと動いたとき。