「純、あたしめちゃくちゃおいし〜チョコ作ってくるから!誕生日だし、頑張っちゃう!」
「あたしもあたしも!楽しみにしててよ?」
派手な外見の女の子たちが、純くんと楽しそうに話をしていた。
そんな彼女たちを、純くんは今まで通りの笑顔で「ありがと」と言う。
「…………色、葉」
そうミオがぽつりと呟いた時、頭にぽんと手がのせられた。
見上げると、それは裕也くんの手で。
「…嫌なら、言ったら?純に。他の子のチョコ、受け取らないでって」
彼は優しく目を細めて、そう言ってくれた。
「…そーだよ。きっと色葉が言えば、聞いてくれるよ」
…ふたりとも…
私は少し考えて、首を横に振った。
「……ううん。それは、わがままだよ。純くんのお友達だし。誰のを受け取るかは、私じゃなくて純くんが決めるべきだと思う」
せっかく、純くんを想って作ったチョコレート。
受け取ってもらえないのは、悲しい。
私だったら、きっと泣いちゃうから。



