眠り姫はひだまりで【番外編】



…知りたいって、言ったのに。

前に、私の家で。

『純くんのこと、もっと知りたい』って、言ったのに。

私、まだ純くんのこと、全然知らないじゃん………


「……色葉」


ミオが、心配そうに私を見る。

「大丈夫」と言って誤魔化したけれど、これは最近の悩みのひとつだった。


…今更、私なんか純くんの彼女にふさわしくないんだ、なんてことは思わない。

そんなことを思う女の子こそ、純くんにふさわしくないと思うから。

…ただ、ただ。

もう少しだけ、自信が欲しい。


…もっと、もっと、純くんのことを知りたいんだ。






月曜日、ミオが裕也くんに用があると言うので、私もそれについていった。

別館は、相変わらず騒がしい。

堂々としているミオにくっついて、廊下を歩く。

すると、周りから「あっ」という女子の声がした。