…けれど、それに反して純くんの顔は、何故か複雑そうだった。
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「ねぇ色葉、何作ったらいいかな!?やーん、まよーう!」
その日の放課後、金曜日。
バレンタインまで、あと五日。つまり、来週の水曜日が純くんの誕生日です。
日曜日にバレンタインのお菓子を作るために、ミオと材料の買い出しに街へやってきているのですが。
ミオはまだ何を作るのか決まってないみたいで、本屋さんでバレンタイン特集の雑誌を立ち読み中。
「ふふ。今度は、ミオひとりで作るんだよね?」
「うん。頑張る」
先月の終わり頃、ミオは彼氏である裕也くんに、ガトーショコラをあげた。



