今は、校門近くの花壇のところに集まってる。
私と純くん、ミオと裕也くんの四人で帰ろうという話になって。
でも純くんが教室に忘れ物を取りに行っているから、三人で待機中というわけなのです。
「色葉、何作るかもう決めた?」
「うん、大体」
バレンタインデーまで、あと五日。
彼氏のいるバレンタインは、友チョコを配っていた今までとははるかに違う。
心を込めて、可愛らしく。
作るのは、友チョコではなく本命チョコレート!
きゃいきゃいとふたりで騒いでいると、裕也くんが私を見て「あれ?」と首を傾げた。
「どうしたの?」
「…もしかして色葉ちゃん、知らない?」
何が?
そう訊くと、裕也くんは「二月十四日は、なんの日?」と言う。
「…えっ、だからバレンタインデー…でしょ?」
ちなみに、三月十四日がホワイトデーです。
他にあったっけ?とミオと顔を見合わせる。
しかし裕也くんはあっけらかんとして、衝撃的な事実を私に告げたのだった。
「二月十四日は、純の誕生日だよ」
*
次の日の、お昼休み。
二組の教室に、私の叫びが響き渡った。



