「ひゃあっ」
「ごめんって。一緒寝よ?」
純くんは机から降りて、床に座った。
…一緒に寝よって、言われる度にドキドキする。
腕を広げられて、優しく目を細められたら、なんだかもうくらくらする。
ぽかぽか、心がふわふわし始めたら、夢見心地。
腕の中に体を預けたら、少しずつ体温が上がって、眠たくなる。
冬なのに、暖かい。
…お兄ちゃんに聞いた、お話の。
ここで恋人同士になったふたりは、どんなふうに過ごしたのかなぁ、なんて想像した。
*
さて。
皆さん、二月といえば何でしょう?
節分ですか?豆まきですか?
いいえ。正解は…
「バレンタイーン!」
ミオと、わーいっと手を叩き合う。
裕也くんはそんな私達を見て、「おー」と手を叩いた。



