「……マカロン………」


ラッピングされたそれらは、パステルカラーでとても可愛いらしい。

…たぶん、手作りだ。

言われてないけれど、そうだと思った。


「…食べて、くれない?」


彼の瞳を、見つめる。

…なんで、マカロン?

なんで、作って来たの?

そんな疑問がいくつも浮かんだけれど、あたしは素直にピンクのマカロンを手にした。

じわじわと、瞳に涙が溜まる。

…なんで、泣きそうになってるんだろう。

よく、わかんない。

ああでも、ひとつだけわかる。

あたし、今、嬉しいんだ。

裕也くんの、瞳が。


すっごく、真剣だから。


綺麗なピンク色のマカロンを、一口食べる。

…甘い。

甘いよ、裕也くん。


「……美味しい〜」


ボロボロと、涙が零れた。

そんなあたしに、裕也くんは嬉しそうに笑う。