眠り姫はひだまりで【番外編】



「一緒に帰ろう」






それから、いつも通り他愛のない話をして歩いた。

どうして待ってたの、とか、何か話があるんじゃないの、とか。

訊きたいことがあったけれど、我慢して笑った。

そして突然、沈黙が下りた。


「……………」


話題がなくなって、しばらくの間静かになる。

…そんなこと、今まで何度もあったのに。

今のこの静けさに、あたしは緊張していた。

あたしだけなんだろうけど。

気まずいって、思った。

別に、何かあったわけじゃないのに。

絶対裕也くん、あたしのこと変だって思ってる。

なにか喋ろうと頭を働かせて、口を開いたとき。

「…ね、ミオちゃん」

ぱっと顔を上げると、優しくて、けれどどこか複雑そうな笑みが見えた。


「…最近、なんか、あった?」


…え?

あたしが驚いた顔をすると、裕也くんは優しく笑う。