眠り姫はひだまりで【番外編】



「…そーよ。失敗しちゃったけど」

すると、葉は「そのままでいいんじゃない」と言った。

「そのまま?」

「ストレートでいいと思うよ。丸井さん綺麗じゃん。髪」

その言葉に目を見開くと、色葉が「そう!そうなの!!」と葉の両手を握った。

「私もね、ずーっとそう思ってたの!巻いたりしなくても、ミオはそのままで充分可愛いんだよ!」

…そう、なの、かな。

そのままで、いいのかな。

くるくるになっている毛先に触れて、少しだけ目の奥が熱くなった。

「……そっ、か。うん…ありがとう、ふたりとも」

あたしが笑うと、色葉と葉も安心したように笑った。


…いいの、かな。

そのままの、あたしで。