…ごめん、色葉。
協力してくれたのに、ね。
「…あたしって、そんなに可愛くないのかなあ…」
ぽつりと呟いて、ちらりと周りを見る。
あたしは近くの席に座っているある人物に、目線を定めた。
「………ねえ、葉」
クラスのムードメーカー、葉。
アホっぽいけど、隠れファンが多くいるイケメン。
携帯ならともかく、ゲーム機を持ってきてまでゲームをしている。
五限が始まる直前までする気らしい。お前は先生が怖くないのか。
「ん、丸井さん?どーしたの」
ゲームを中断して、顔を上げてくれた。
…困った時の、お助け葉くん。
色葉は葉に声をかけたあたしを、不思議そうに見ている。
「…あのさ。あたしのこの髪、どー思う?」
カールした部分を指差して、訊いてみた。
葉はぽかんとあたしを見つめて、「あれ?」と首を傾げる。
「丸井さんて、ストレートだったよね?」
「そう。巻いてみたの。どう?」
裕也くんには無理だから、正直者の葉に意見を求めてみようと思ったのだ。



