眠り姫はひだまりで【番外編】



二組の教室で、裕也くんとお弁当を食べ終わったあと。


「がっ、ガトーショコラ焼いたんだけど!食べてくれる!?」


ガトーショコラの入った紙袋を、ずいっと差し出す。

裕也くんは片付けたお弁当箱を、ゴトンと落とした。

「どっ、どうしたの!?」

「あ、いや…ごめん、びっくりした」

びっくりって…弁当箱落とすほどっすか。

裕也くんは苦笑いを浮かべながら、紙袋のなかを見た。

「…………」

目を見開いて、包みを取り出す。

そして、ふわりと笑った。

「…可愛いね。美味しそう」

目を細めて、ガトーショコラのカップを見つめるその姿に。

…思わず、見惚れた。