眠り姫はひだまりで【番外編】



「…あんな風に突き離して、ごめん。…ほんとに、ごめん」


町田さんは、ふるふると首を横に振る。

「…っいいんです。もう、こうやって、来てくれたから。それでもう、充分です」

「……ほんと?」

「じゃあっ」

僕の身体をぱっと離すと、彼女は「もっかいっ」と言った。


「もっかい、先輩を追いかけてもいいですかっ!」


…パワフルな、お姫様。

僕の恋は、終わってしまったけれど。

突拍子もなく、驚かせてくれるこの女の子に。


僕はやっと、晴れやかに笑いかけることができる。


「いいけど、道は険しいよ」

「なんでそんなこというんですかぁっ!!」


僕は口を開けて、大きく笑った。

むっと頬を膨らませる、この女の子と。


僕は新たな一歩を、踏み出した。







Fin.