眠り姫はひだまりで【番外編】




…好きだよ、色葉。


大好きだよ、ずっと。



「……ありがとう」


笑って言うと、色葉は「うん」と頬に涙を流して、笑い返してくれた。


…僕も、進まなきゃいけない。

今の色葉を、受け入れて。

思い出の『あの子』に、さよならを。


…そして、そのきっかけをくれた『彼女』のもとへ、足を進めるんだ。


「……僕、行ってくる」

ガタン、と席を立つと、色葉はやっぱりわかったように目を細めて、「うん」と言った。

ぐっと目元を拭って、僕は鞄を手に取る。


「…じゃあね、色葉」


彼女は歯を見せて、無邪気に笑う。


「バイバイ、大和」


繋いでいた手を離して、それぞれの足で歩くんだ。


教室の扉を開けると、扉に寄りかかっている人影が見えた。

…え。

すぐさま扉を閉めて、『彼』に向き直った。


「…いつから、いたの?」

「……結構、前から」

しらっとした目で僕の事を見つめるその人…純。

腕を組んで、鞄を肩にかけて。

彼は僕と色葉の話が終わるまで、待っていてくれたらしい。

…気、つかってくれたのか。