みんな、打ち合わせ済み。
驚く先生の前に、葉が歩いて行って。
大きな声で、感謝の言葉を述べた。
「えーと、小川先生!一年間、生意気で馬鹿な俺らを見捨てずに指導して下さって、ありがとうございました!」
小川先生が、目を見開く。
みんなで目配せしあって、笑った。
「他の学校に行っても、厳しくて怒るとちょっと怖くて、でもやっぱり面白い小川先生でいて下さい!お疲れ様でした!」
そして、日野くんが「きりーつ!」と呼びかけると、クラス全員が席を立った。
葉が、「せーの」と言って。
「「ありがとうございましたー!」」
みんなで一斉に、頭を下げる。
小川先生はこれ以上ないくらい目をまんまるくしていた。
その様子に、みんな笑う。
葉が紙袋から、色紙を取り出した。



