眠り姫はひだまりで【番外編】



「…意味わかんない…」


そんなのがずっと続いて、ついに昨日の昼休みに心折れた。

だって、私だけ。

私だけに、笑ってくれない。

今だって、遠くの席でたくさんの人に囲まれて、葉は笑っているのに。

最近は色んな人と、話をするようになったけれど。

…葉と話せないのは、何よりも辛いよ。

やっぱり私はこうやって、彼を遠くから見つめることしか、出来ないのかな。

少し、舞い上がりすぎたのかな。

神様にチャンスを与えられて、楽しいことがたくさんありすぎたから。

もう、無理なのかな………






終業式が終わり、みんなが教室に帰ってきたあと、HR中に、それは行われた。

小川先生の長ーくありがたい話を、みんなうんざりしながら聞いて。

先生の話がひと段落ついたかな、というところで、葉が手を挙げた。


「ん。なんだ、川原」

「せんせー、ちょっといいですか」


先生が眉を寄せて、何がだ、と言う前に、葉は紙袋を持って席を立つ。