「…意味わかんない…」
そんなのがずっと続いて、ついに昨日の昼休みに心折れた。
だって、私だけ。
私だけに、笑ってくれない。
今だって、遠くの席でたくさんの人に囲まれて、葉は笑っているのに。
最近は色んな人と、話をするようになったけれど。
…葉と話せないのは、何よりも辛いよ。
やっぱり私はこうやって、彼を遠くから見つめることしか、出来ないのかな。
少し、舞い上がりすぎたのかな。
神様にチャンスを与えられて、楽しいことがたくさんありすぎたから。
もう、無理なのかな………
*
終業式が終わり、みんなが教室に帰ってきたあと、HR中に、それは行われた。
小川先生の長ーくありがたい話を、みんなうんざりしながら聞いて。
先生の話がひと段落ついたかな、というところで、葉が手を挙げた。
「ん。なんだ、川原」
「せんせー、ちょっといいですか」
先生が眉を寄せて、何がだ、と言う前に、葉は紙袋を持って席を立つ。



