眠り姫はひだまりで【番外編】



「…ん、おはよ」


…そしてすぐに前を向いた彼の背中を、私はただ呆然と見つめているだけだった。





…私、何か悪いこと、したかな。

ううん、土日の間はなんにもなかったし。

思い当たることが、なんにもない。

…のに。


「…じゃあ、なんで三日も避けられ続けてんの」


春休みの前日、終業式の日。

朝からポッキーを食べているさゆりは、退屈そうに携帯を触りながら、そう言った。

「……そんなの、わかるわけないでしょ………」

私は、ほぼ屍状態。

だってさゆりの言う通り、この三日間、一度も葉と話してないんだもん。

目が合うと、ゆっくりと逸らされる。

話しかけると、気まずそうな目をされる。

…何より、笑いかけてくれない。