私は震えそうになる声で、言った。
「…ありがとう…」
…これ、現実?
嬉しくて、涙出そうだよ。
葉を見ると、私へピースして笑っていた。
…ありがとう。
ほんとに、ありがとう。
その後、私は今まであんまり話したことのないひととも、たくさん喋った。
楽しくて、楽しくて。
葉が作り出す人の輪は、とても明るくて、笑顔に溢れていた。
*
その日の、放課後。
クラスメイトたちが、ぞろぞろと帰っていくなか。
私以外のクラス全員のメッセージが書かれた色紙を、私は目を細めて見つめていた。
隣の席では葉が、教室を見渡している。
私は筆箱からボールペンを取り出して、最後に残った欄に、メッセージを書き始めた。



