葉は、それをまっすぐ見返して。
そして、強く、確かな声で言った。
「理紗」
…みんなの視線が、私へ集まってくる。
私は普段向けられることのないたくさんの視線を、真っ向から見つめ返した。
…大丈夫。
そう心の中でつぶやいて、私は口を開く。
「…うん。私が、描いた」
ざわっ、と。
教室中が、騒がしくなった。
「まじで!?長野さんが描いたの!?うまー!」
「すげー!めっちゃ似てんじゃん!」
…そんな言葉達を、私は目を見開いて聞いた。
みんなが、色紙を見て、私を見て、スゴイと言う。
「…理紗、よかったね」
隣で、さゆりが笑う。
「理紗ちゃん、すごーい!小川先生そっくりだよー!」
顔を明るくした色葉が、私のもとへ来て笑いかけてくる。



