眠り姫はひだまりで【番外編】



「そーだなぁ、遊ばないとな」

「ね、早く行こー!」

子供達に手を引かれ、葉は滑り台のほうへ戻って行く。

その後ろ姿を見ていると、葉はこっちを振り返って、にっと笑った。


「描いてくれて、ありがと!」


…そんなの。

こちらこそ、だよ。

描かせてくれて、ありがとう。

ずっと憧れていた、明るく笑う君を、描かせてくれてありがとう。


…君が作り出す人の輪のなかに、私が少しでも入れたこと。

それが、たまらなく嬉しいんだよ。

君が、笑ってくれるなら。

みんな、笑う。

…私も、笑う。


「…こちらこそ!」


筆を持つ手を上げると、私は精一杯笑った。

葉はやっぱり、明るく笑い返してくれた。







「…ってことで、みんな。これにメッセージ書いて下さい!」


その次の、金曜日。

終業式が、来週の水曜日まで迫ってきたころ。

教壇に立った葉は、小川先生の似顔絵が描かれた色紙を、みんなに見せた。