眠り姫はひだまりで【番外編】



男の子は興味しんしんな様子でアオバを見ていて、葉は笑って男の子にフリスビーを渡す。

男の子が投げたフリスビーを、アオバは元気良く取りに走った。

すると近くから他にも子供達が寄ってきて、一気に滑り台の周りが騒がしくなる。

私はその様子を、目を細めながら描いた。


…彼が笑えば、みんな笑う。


楽しい楽しい、空間になる。


子供達と滑り台で遊んだりしていた葉は、やがて私のほうを指差してきた。

ちょうど下塗りを終えた私は、ぎょっとした。

子供達が、私をきらきらした目で見つめながら、走ってきたのだ。


「おねーちゃん、お絵描きしてるの!?」


え、ええっ…

いつの間にか私は、子供達に囲まれていた。

描いている絵を覗き込まれ、「わー、上手い!」「すごー」とたくさんの声が飛び交う。


「な、すごいだろ?」


笑いながらこっちへやってきた葉は、座って固まったままの私を見て、そんなことを言ってきた。

むっとした顔で睨み見上げると、面白そうに笑われた。