…なんだか、信じられないなぁ。
ずっと、見つめているだけだったのに。
いつも楽しそうに笑う彼の背中を、遠くから眺めているだけだったのに。
…その目に、確かに私が映って。
目を細めて、『理紗』って。
…ああもう、思い出すだけで、キュンキュンするよ。
神様、なんだか怖いです、私。
最近、幸せな出来事ばかりだから。
地味で目立たない私が、人気者の葉に憧れているなんて、まるで不毛だと思っていたのに。
…私、絵が好きでよかったなぁ。
なんて、スケッチブックを見つめて思った。
…そのとき。
ワァン、と。
聞き覚えのある鳴き声が聞こえて、私は振り返った。
そして見えたのは、こちらに向かって宙を飛んでくる、柴犬の姿。
「…えっ」
えっ、えっ。ええっ…
まさかの、また飛び込みですかー!?



