眠り姫はひだまりで【番外編】



日曜日のお昼、公園にやってきた私は、最初に目に入ったちょっと古びた滑り台を見てそう思った。

葉にはこの場所を伝えただけで、いつ来るかは聞いていない。

それまで、ひとりで描いていよう。


今日の天気は、晴れ。

この季節にしては気温も高く、暖かい。

ご機嫌で芝生の上に座り、私はスケッチブックを広げた。

滑り台とその周りの木々、ベンチを見据えて、サッサッとアタリをとる。

薄い鉛筆の線を見つめながら、私はこの間の昼休みのことを思い出した。

小川先生の似顔絵は、日野くんたちの協力あって笑顔が描けそうで。

授業中もやっぱり盗み見たりしながら、練習していた。

明日から、色紙に描き始めようかなと思ってる。


サッ、サッ…っと、自分の手で描かれていく遊具たちを見て、私は手を止めた。

…私があの時絵を描いていなければ、葉とあんな風に時間を過ごすことはなかったんだよね。

『理紗』、と呼ばれることも、なかったんだよね。