眠り姫はひだまりで【番外編】



「…ズレてないよ」

「ズレてるよ。超面白い」

…嬉しくないんですけど。


頬を膨らましながら、葉の後ろを歩いて行く。

…ほんと、信じられない。

今度は偶然じゃ、ないんだ。

葉から、来てくれた。

それだけで嬉しくて、飛び上がりそう。

神様、一体なにを企んでらっしゃるんですか。

ほんと、逆に怖くなっちゃうよ。


二階にある職員室のベランダが、よく見える場所の木の影に、私達は隠れた。

先生は煙草を吸いながら、空を見ている。

私と葉は、その場にしゃがみこんだ。

真近にいる葉に、心臓の鼓動が速まる。

「こっから、撮れそう?」

「う…うん」

木々の隙間から、携帯をかざす。

画面に、煙草を吸う先生の横顔が映った。

ズームして、パシャッと撮る。


「ど?」

「…んー……」

でも、横顔だけだと、なぁ。

撮った写真を見ながら考える私に、葉は何かを思いついたように「じゃあさ」と言った。