眠り姫はひだまりで【番外編】



「…えっと」

「それは秘密ーー」

…えっ?

見ると、葉がお弁当を片付けて立ち上がろうとしていた。


「俺も、一緒に行っていい?」


ええっ…!

「そっ、そ、それは全然いいけど…!」

「やった。じゃあ、行ってきまーす」

男子たちに手を振って、葉は歩き出した。

日野くんはもちろん、みんな戸惑った顔をしている。

…変な誤解、されなきゃいいんだけど。


葉と職員室のベランダの下へ歩きながら、訊いてみる。

「…なんで、ついてきてくれたの?」

「面白そうだから」

私は、眉を下げた。

「面白い?なにが?」

「理紗が。昨日も思ったけど、理紗ってちょっとズレてるよね」

私がズレてる!?

「そっ、そんなの初めて言われたぁ!」

「え、うっそ。絶対みんな心の中でそう思ってるよ」

思ってない思ってないー!

私は納得のいかない顔で、葉を見た。