眠り姫はひだまりで【番外編】



よし、葉の頼みだし、何より私もこのクラスの一員だし。

最後にクラスに貢献できるように、頑張って描こう!

ホントに先生そっくりなの、描いちゃうんだから。






二限目は、小川先生の授業だった。

ホームルームに続いて、彼の顔をじーっと見つめる。

気づかれないよう教科書やノートでメモ紙を隠しながら、その顔を描き出した。

…ヤバイ、これ多分、この一週間は小川先生の顔ばっか描くことになるな。

ちょっと毛の薄くなった頭が素敵です、先生。そろそろお歳ですね。

なんて事を考えながら、授業そっちのけで先生の顔を見ていると、先生がこっちを見つめて眉を寄せた。

「……なんだ、長野。朝から人の顔じっと見てきて。そんなに先生が好きか」

ごめんなさい違いますーっ!

クラス中がどっと笑いに包まれて、めちゃくちゃ恥ずかしい。

「お前、先生じゃなくて黒板見なさい。ホームルームから熱い視線を送られて、恥ずかしかったんだぞ」

先生、真顔でそんなこと言わないで!?