首をぶんぶん振って否定する私に、葉は驚いた顔をした後、ふはっと笑った。
「必死すぎ。ありがと、俺も楽しかった!」
…胸が、きゅううと痛くなる。
そりゃ、必死にもなりますよ。
葉は私の、好きな人なんだから。
おいで、と言って、葉はアオバの首輪にリードをかけた。
「色紙は明日、学校で渡すから。じゃあな」
「うん。バイバイ」
…なんかちょっと、寂しいな。
そう思いながら、歩き出そうとする葉の背中を見つめる。
すると、葉が「あ」と言って、こっちへ振り返った。
「『理紗』って、呼んでもいい?」
……え?
思わずぽかんとすると、葉は「だめ?」と言う。



