「んっ…」



目をあけると真っ先に見えたのは真っ白い天井。


鼻を刺す薬品の匂い。



ここは…病院?



いや…沙羅の部屋、か?



「あ、兄さん。目が覚めた?」
「沙羅…っ」
「あ~あ、ダメダメ。まだ傷が完治してないんだから。」
「あ、あぁっ…」
「レインさんなら隣のセシルの部屋で寝てるから」
「傷は?」
「大丈夫、僕が今最善を尽くしてるからさ」
「沙羅は凄い、な」
「今更言われたら虫唾が走るんだけど?」
「…褒めてるんだよ?俺」
「ま、兄さんの能力値については父さんから色々聞いてたから。」
「そっか」
「…今は大人しく寝てなね?」
「あ、あぁ…」
「レインさんが起きたら同じ部屋にしてあげるからさ」
「…」
「僕もセシルとここ最近話してないし」
「沙羅、セシルの事好きなの?」
「あぁ、大好き。世界一愛してるよ、セシルの事」
「…お前って、汚い性格だよな」
「ドSと言ってよね?セシルは僕に従える奴隷だから、だから僕はセシルを愛してる。それだけだよ、兄さん♪」
「あ、アハハハッ……」



苦笑いしかできなかった。
弟が歪んだ性格とは理解していたがここまで歪んでるとは…