「私、変な人達にストーカーされてるんです」
「ストーカー?」
「ハイ…っ、なんか…黒ずくめの女の人と多分もう一人は男の人だと思います…しかも二人とも目が真っ赤なんです!!警察にも相談したんですけど…襲われたわけでもないし証拠不十分って言われて…結局放棄されたんですっ」
「黒ずくめ…男女…目が真っ赤…」



一人だけ思いつく人物が居る。


「あ、あのさ…聞いて悪いんだけど…その人達ってただつけてくるだけかな?それともなんか…こう、攻撃してきたりするかな?」
「信じてもらえないと思うんですけど…その人達に真っ黒な翼が生えてたんです!!攻撃とかはされてません…っ」
「真っ黒い翼…。あのさもう一ついいかな?」
「ハイ」
「その女の方って…大きな鎌を持ってなかった?」
「大きな…鎌ですか?」
「うん」
「鎌かは分かりませんが…、なにか大きいものはもってました」
「間違えない」
「え?あ、あのっ」
「大丈夫、君の事は守るから。今日そいつらを捕まえよう」
「き、今日ですか!?」
「君には悪いけど…そいつらをおびき寄せてくれないかな?」
「は、ハイっ」
「怖いとは思うけど…安心して、なんでも屋の名に賭けて守る、絶対」
「あ、ありがとう…っございます」



俺は無意識のうちに身を乗り出し、女性の手を握りしめていた。
女性は顔を真っ赤にして視線を逸らしている。



「ちなみに名前は?」
「山田里香です」
「じゃあ、里香さん。行こうか」