「!?」
『うぎゃあああっ!!』

男を囲んでいた式神様が消えていく。

「…っ」
「はぁー痛い痛い。さすがに銀は堪えるな」
「何故だ…」
「ま、今日は忠告しに来ただけだからこの姿は分身だったんだよねん❤」
「分身!?」
「本体じゃないから死ねないんだ~♪」
「汚いぞっ!」
「だから、今日は八神綺羅に会って忠告しに行くところだったんだって」
「綺羅の所にはっ」
「今は何の武器ももってない。俺は八神綺羅を殺す気はない。ただ話すだけさ」
「…っ」

セシルは銀のナイフを再び取り出す。

「話は聞かせてもらったよ」
「!!?」
「ほぉう……居たんだぁ…ってか知ってたけど」
「お前がレインを監禁してる奴だな?」
「そそ~、お前が……」
「八神、綺羅だ」
「行く手間が省けてよかったよ」
「俺も………お前を殺せる……」
「まぁまぁ、今日は状況報告」
「はぁっ?」
「このままだとレインの処女奪っちゃうぞ★」


男は不敵な笑みを見せ姿を消した。



「クソッ!!クソッ!!クソオオッ!」
「綺羅…っ」
「レインッ」
「帰ろう」
「…っ」

セシルはそっと綺羅の背中に額をくっつけた。