「沙羅」
「あ、セシル~……おはよぉ」
「大変」
「へっ?」
「レインが危ない」
「どういうこと?」
「レインが今、監禁されてる。暴力をふるわれている」
「兄さんに知らせなきゃ!!」

沙羅はソファーから勢いよく起き上り綺羅のもとに向かう。

「兄さん大変だ!!!」
「あ~……沙羅、おはよぉー」

目を擦りいかにも寝起きだ。

「兄さん大変だよ!!レインさんが監禁されてるって!!」
「………沙羅、もう一回寝ていいかな」
「え?」
「俺、今…幻聴が聞こえたんだ」
「幻聴?」
「レインが監禁されてるっていう……幻聴が」
「兄さん、それ幻聴じゃなくて現実」
「…ええええええ!!!」
「兄さん五月蠅い…っ」

沙羅は両耳を塞いだ。