「で?沙羅はここに何の用だい?」
「いやー、兄さんが退屈してると思ってさ」
「どうして?」
「愛しのレインさんが何処かへ姿をくらませて約四時間」
「何がいいたい?」
「だからだから、淋しいかなって思ってきたわけ」
「そ」
「兄さん、戻ってくる気は?」
「無い。前もそういったはずだが?」
「怖い怖い、そんなに睨まないでよ兄さん。」
「で、本題は?」
「ふぅー、やっぱりお見通しか。」


沙羅は“参った”のポーズをした。


「最近、兄さんたちは警察や探偵染みた以来ばかり引き受けてるそうじゃないか。本来の目的はそこじゃないはずなのに」
「…」
「今回の事件、……なんだっけ?連続猟奇殺人だっけか?」
「連続通り魔猟奇殺人」
「そそ、それそれ。その話をしに来たんだー。でも僕の口からは説明しにくいからぁ…セシル」
「はい」


何処からともなく、その少女は現れた。


「例のあの話説明してくれないかな?」
「御意」
「で?」
「今回の連続殺人事件の犯人はおそらく人間ではありません。綺羅さん。貴方もそのことに関してはお気づきだと思いますが?」
「レインが仮設で…」
「その言葉には間違いがあります。仮説ではなく真実です。今回の殺人事件の犯人はおそらく…“悪魔”です」
「悪魔」
「しかも、悪魔の中の悪党ですよ。ま、所詮悪魔は全員悪党ですが…強いて言うならその悪魔は人間を惨殺することを楽しんでいる…クズ野郎って事です。」


ニッコリと笑う笑顔に思わず息をのんでしまう。