大学に向かい、真希とくだらない話をして、講義を受け、大学を出る。


そして…


「…今日も満開だ」



桜並木を通る。


本当に昨日のあの人はいるのだろうか。



私は、あの桜の木に向かって歩いた。





───フッ



そのとき風が吹き、桜が舞った。



「っ…、なにも見えない…」


手で目を覆った。


指の間からうっすらと目をあけ、前を見ると



「本当にいた……」



昨日のあの人が、昨日と同じ場所に同じように、桜を見ていた。