くすり、笑った田中、もとい山田は少し真剣な顔をして言った。











「ゆりあには感謝だね。」







『感謝?』







「うん、ゆりあに会って、ゆりあと寝て、俺わかったんだ」










それきり山田はなにも言わなかった。









あたしも、それはあたしが聞くべきことではないとわかっていたから、それでよかった。








あたし達はホテルの前で別れた。







もうきっと二度と会わないあたし達だけれど、この日のことは忘れられないんだろう。







そう分かっていたから、少し笑えた。