「帰ろうか、ゆりあ。もう夜が明ける」 その言葉を皮切りに、それぞれ支度をした。 ホテルの前に出る。 「ありがとう。ゆりあ」 『こちらこそ。田中』 「あ、」 『なに。』 「俺の名前、山田って言うの」 『山…田、』 え、なんか違和感。 田中のがしっくりくるんだけど。