上を見上げると、先程とは打って変わってやけに真剣な顔が目に写った。 「でも、死んだよ。」 『、っ』 「死んだんだ。」 『…、』 「さらっと、呆気なく、跡形もなく」 『っ、』 「何も、残さ…」 『やめて!』 気づいたら叫んでいる自分がいた。 『やめて、なんで…なんでそんな、話を、するの?』 目が泳ぐ。 それを彼は上から捕らえようとする。 なんで、なんでこんなときに、そんな話を。