彼の暖かい腕から起き上がる。 「最後だよ。」 もう一度彼が言う。 彼は優しい人なのだ。 こうしてあたしを手放すことを本心で悲しがっている。 けれど彼はそれをやめない。 こうして女を自分のモノにしては手放す。 それを繰り返す。 多分この世で1番可哀想な人。 自分で自分を不幸にすることをやめられない。 自分でわかっていながらも、やめられない。 本当に可哀想な人。