「そんな顔しないで。最初からわかってたことだろう?」 『あたし、どんな顔しているの』 あたしの唇を親指で撫でて、少し困った顔をした後、 「傷ついた顔」 はっと驚く。 覚悟していたのに。 彼の言う通り、最初からわかっていたことなのに。 彼の興味があたしから逸れたら終わりだと知っていたのに。 あたしはそんな彼のことを好きになったのに。 あたしはそれに傷ついているのか。